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  Norman Granz' Jam Session


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ノーマン・グランツ・ジャム・セッション論
ジョージ・アヴァキアンがコロムビアで、ジョン・ハモンドがヴァンガードで歴史的なメインストリーム・ジャズの演奏をLPに録音したのが1953年の12月でした。それの数ヶ月前の8月3日に、JATPを率いるノーマン・グランツがスタジオにおけるジャム・セッションを録音していました。
Norman Granz' Jam Session #3
そもそもJATPは、劇場や大ホールなどに大勢の観衆を集めて、大物のジャズ・ミュージシャンの大ジャム・セッションを興行するために1944年に編成されたものですが、その演奏形式は、大衆迎合的な大ブローと非難されるようなものになりがちでした。

ノーマン・グランツの今回の企画は、聴衆がいないスタジオ内で傘下のミュージシャンに伸び伸びと自分らしい演奏をさせて、それをLPに録音しようとするものでした。当日の録音に参加したミュージシャンは、カウント・ベイシー(p)、ハリー・エディソン(tp)、バディ・デフランコ(cl)、ベニー・カーター、ウィリー・スミス(as)、ワーデル・グレイ、スタン・ゲッツ(ts)、フレディ・グリーン(g)、ジョン・シモンズ(b)、バディ・リッチ(d)という錚々たる面々。(写真参照)

アルバムに収録されている曲は、アップル・ジャム、オー・レディ・ビー・グッド、ブルース・フォー・ザ・カウントの3曲とバラッド・メドレー8曲。特筆すべきは、ノーマン・グランツが最高のピアニストと称賛するカウント・ベイシーと最高のリズムマンとするフレディ・グリーンを選んだこと。それによってスウィンギーなリズム・セクションの構成となりました。が、残念ながら、JATP特有のブローへの傾向は避けられず、全体的に音数が多く喧騒な演奏となってしまいました。また、音質もヴァンガードの比ではありませんでした。 Oh, Lady Be Good
Norman Granz' Jam Session #4
さて、グランツ率いるJATPのジャム・セッションのルーツと、ジョン・ハモンドが志向したジャム・セッションのルーツは、根本的なところで異なるのではないか、と考えられます。JATPのジャム・セッションにはビーバップの色彩が強く残っておりますが、一方ジョン・ハモンドの主宰するジャム・セッションのルーツは、1930年代にビッグ・バンド・コンサートなどの幕間にピック・アップ・メンバーで行われたジャム・セッションにあるのではないか、ということです。

例えば、ベニー・グッドマンのカーネギー・ホール・コンサートでの「ハニーサックル・ローズ」 のジャム・セッションや、スピリチュアルス・トゥ・スウィング・コンサートにおける「オー・レディ・ビー・グッド」のジャム・セッションが、ヴァンガード・ショウケースのモデルであり、またメインストリーム・ジャズの源流ではないかと考えることができます。


Stan Getz, Buddy De Franco, Willie Smith, Benny Carter, Harry Edison, Wardell Grey, Count Basie, Freddie Green, John Simmons
録音風景 左から、スタン・ゲッツ、バディ・デフランコ、ウィリー・スミス、ベニー・カーター、ハリー・エディソン、ワーデル・グレイ、カウント・ベイシー、フレディ・グリーン、バディ・リッチ、ジョン・シモンズ (1953)

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