エレノア・ビリー・ホリデイの年表 | |
1915 | 4月7日メリーランド州バルチモアで生まれる。父は15歳、母は13歳で養育できる環境ではなかった。両親とも黒人で貧困な家庭だった。 |
1921 | 突然、祖母が死去。これが彼女の最初の不幸な出来事だった。 同時期に父親が家族を捨てて去ってしまった。 |
1925 | 10歳の時、近所の男から襲われレイプされる。これが生涯癒されない心の傷になってしまった。彼女は母とともに厳しい生活を送らざるを得なかった。 |
1929 | 経済の大恐慌により生活がますます厳しくなり、彼女は売春で生きるしかなくなった。 |
1930 | 働き場を失い母とともにニューヨークへ移住。幸いに「ポッズ・アンド・ジェリーズ」というクラブで歌う仕事を得たが、稼ぎはひどく安いものだった。3年間ほどニューヨークで歌手生活を送ったが収入はわずかなものだった。 |
1932 | ジョン・ハモンドが「ログ・キャビン」というクラブで彼女の歌を聴き、ベニー・グッドマンに紹介。 |
1934 | ビリーがレスター・ヤングに出会う。ベニー・グッドマン楽団でレコーディングしたがあまりヒットしなかった。彼女はベッシー・スミスとルイ・アームストロングを歌のモデルとしていた。 |
1935 | ジョン・ハモンドの助力で、テディ・ウィルソンや有名なミュージシャンとのレコーディングを開始。レコードは大衆に知れ渡ることになる。カウント・ベイシーやアーティ・ショウ楽団と演奏旅行をするうち名声を得るようになった。 |
1936 | レスター・ヤングと再会。そして二人は「恋仲」に。彼女はレスターから「楽器のような」唱法を学ぶ。二人は数々のレコーディング。ビリーはレスターの助けで歌唱力を磨き独自のものまで得るまでになる。彼らの関係はミュージシャンとしてはよかったが、一方でダメージを受けることになった。二人はドラッグを始めてしまったのだ。 レスターはビリーを「レディ・デイ」と呼び、彼女は彼を「プレス」(プレジデントの略)と呼ぶようになった。 |
1937 | ビリーはテディ・ウィルソン楽団でのレコーディングを継続。ビリーの父親が死去。 |
1939 | ビリーはドラマチックな曲、社会性を持った曲をレパートリーに加えることに決め、反リンチの「奇妙な果実」を発表。これが大成功をおさめた。その頃から彼女は「クチナシ」の髪飾りをつけるようになり、その後一種のトレードマークとなった。 |
1942 | ポール・ホワイトマン楽団と「トラベリン・ライト」を録音。この頃には貧困は過去のものとなり、エレガントで美しく輝くような姿になった。一方、彼女の心の内面は外見とは異なるものだった。アルコールとタバコとドラッグに着実に侵されていた。 |
1944 | 1月、ニューヨークの「メトロポリタン劇場」で記念すべきコンサートを行い、また52番街のクラブでのライブ活動を行う。 |
1945 -1946 |
大戦後すぐビリーは薬物依存から抜けようと試みたができなかった。彼女は警察当局に麻薬中毒者としてリストアップされた。飲酒、喫煙、麻薬から抜け出せなかった。メトロノーム誌で1945年と1946年のベスト女性ボーカリスト賞を獲得。しかし彼女の健康は最悪の状態だった。 |
1946 | ルイ・アームストロングと映画「ニューオーリンズ」の端役として出演。そのころ数年間彼女の名を冠したバンドを率いて数々のクラブを巡業。彼女はますますヘロインに依存するようになり、警官から常時監視されるに至り、これが彼女の芸術的パーソナリティを損なうことになっていった。 |
1954 | イギリス、スカンジナビア、ドイツ、スイス、オランダ、フランスを巡業。どの国でも歓迎され大成功だった。 |
1956 | ジャーナリスト「William Dutty」に自叙伝を口述させ、のちに「Lady Sings the Blues」として発刊される。彼女の体調は一層悪化していった。夫の「Louis Mckay」はマネージャーも兼ねていたが彼女の健康よりも稼ぎばかりに関心があった。 |
1958 | ふたたび欧州ツアーへ。今回はあまり芳しい成功は得られず。イタリアのミランでは客席からブーイングが起こった。彼女は鬱な気分が続いた。ショーの前後かまわず警官から常に嫌がらせを受け続けた。彼女の疲労は極限に達して再起不能な状態になっていた。 |
1959 | ラスト・レコーディング(3月3日、4日、11日)の後、肝臓疾患と心臓発作でニューヨークのメトロポリタン病院へ搬送される。そして7月17日に死去。享年44歳だった。彼女のベッドの周りは警官だけが取り囲んでいた。そこには彼女の最愛の友、レスター・ヤングの姿はなかった。彼は同年3月15日に死去していたのだった。 |
笹尾俊一著「ジャズストーリィ/ルイとビリーとレスターと」1996
1920年・1930年代のジャズをイラストと手書き文で綴った味わい深い絵本。とりわけ、ビリー・ホリデイとレスター・ヤングの心の交流が生き生きと描かれています。しかし、二人の悲劇的な人生にはまったく触れておりません。
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Fine and Mellow
1957/12/08 live from CBS Studio 58, the Town Theater at 851 Ninth Avenue
in New York City.
Let Freedom Swing - Billie Holiday
Brianna Thomas(vo) Alphonso Horne(tp) Tivon Pennicott(ts) Ehud Asherie(p) Bill Crow(b) Norman Edwards(d) Justin Poindexter(g) Jake Blasini(host)
新着映画です。Apple TVやiTunesから有料レンタルして視聴することができます。
世界を誘惑する声を持つアンドラ・デイが主演
自由の国が禁じた歌──「奇妙な果実」 だが、それは音楽史上最も衝撃的な陰謀の始まりに過ぎなかった。
不世出の天才シンガー、ビリー・ホリデイの知られざる真実を明かすサスペンス・エンターテイメント
2022年2月11日(金)公開 公式サイト:https://gaga.ne.jp/billie/
映像の世紀 バタフライエフェクト「奇妙な果実 - 怒りと悲しみのバトン」としてビリー・ホリデイを主題とした番組が放映されました。NHKプラスでご覧いただけます。2024/05/13