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チャーリー・クリスチャンCHARLIE CHRISTIAN with BASIE RHYTHM SECTION

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チャーリー・クリスチャンとオール・アメリカン・リズム・セクション論


オール・アメリカン・リズム・セクション
Jo Jones(d) Freddie Green(g) Walter Page(b) Count Basie(p)
Lester Young(ts) Buck Clayton(tp) Benny Goodman(cl) Charlie Christian(eg)

■ チャーリー・クリスチャンに関する論説には必ず掲載されている標記の写真。このバンドの演奏が聴ければ最高ですが、そのような録音は無く、単なる伝説的写真に過ぎないと思っていました。が、これがあったんですね。ディスコグラフィをしっかり見ずに聴いていたんですね。

■ この写真は、1940年10月28日(月)、ニューヨークのコロムビア・スタジオでこの編成で録音されたときのもののようです。ベイシーの「カンサスシティ・シックス」にグッドマンとクリスチャンが参加したものでしたが、バンド名は「ベニー・グッドマン・セプテット」となっています。

1. Charlie Christian with All American Rhythm Section

BENNY GOODMAN SEPTET (1940/10/28)
 1.Ad Lib Blues 2.I Never Knew 3.Charlie's Dream 4.Wholly Cats 5.Lester's Dream
BENNY GOODMAN QUINTET (1940/11/04)
 6.Gone With "What" Wind

■ 上のYouTube収録曲の1〜5が1940年10月28日録音で、6は1940年11月4日の録音です。
各曲についての解説は省略しますが、1曲目のアドリブ・ブルースはベニー・グッドマンの参加は無く、クリスチャンとベイシー・バンドの伸び伸びとした演奏を楽しめます。3曲目のチャーリーズ・ドリームと5曲目のレスターズ・ドリームはディッキーズ・ドリームと同じマイナーで始まる32小節の曲で、最高にスウィングしています。ひとり甲高く響くグッドマンのクラリネットがちょっと耳障りな感じがします。
6曲目はニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンでラジオ公開されたものの録音。ここではフレディ・グリーンは抜けてクリスチャンがソロと共にリズムを奏でています。クリスチャンのリズム・ギターによるベイシー・リズム・セクションは価値があり、クリスチャンのリズム・ギタリストしての才能が垣間見えます。

■ 譜面通りの演奏にこだわる几帳面なグッドマンは、クリスチャンやベイシーとは必ずしも折り合いはよろしくなく、恩人のジョン・ハモンドの企画のもとで共演することになったのでしょうが、図らずもオール・アメリカン・リズム・セクションの良音質の録音が残されていたことはうれしい限りです。

2. Charlie Christian on Hammond's Historic Concert

John Hammond's "Spirituals To Swing" concert, Carnegie Hall, New York City, Sunday Dec.24, 1939
KANSAS CITY SIX: 1. Pegin' The Devil 2. Good Mornin' Blues 3. Way Down Yonder In New Orleans
JAM SESSION: 4. Oh! Lady Be Good

■ 上の収録曲は、有名なジョン・ハモンド主催のスピリチュアルス・トウ・スウィング・コンサートでの録音です。チャーリー・クリスチャンの研究者が最も見落としやすい演奏集です。1〜3曲はバック・クレイトン(tp)、レスター・ヤング(ts)、チャーリー・クリスチャン(eg)、フレディ・グリーン(g)、ウォルター・ペイジ(b)、ジョー・ジョーンズ(d)と、ベイシーの代わりにクリスチャンをメインに起用しています。ハモンドの粋な編成です。グッドマンが入っていないので落ち着いた演奏になっています。
4曲目のレディ・ビー・グッドは有名なジャムセッションですが、母体としてベイシーのビッグバンドが座り、そこにピート・ジョンソン、ジョー・サリバン(p)、アーティ・バーンスタイン(b)、ニック・ファトゥール(d)が加わっています。
ソロ・オーダーは、ベイシー(p)→レスター・ヤング(ts)→ジョー・サリバン(p)→チャーリー・クリスチャン(g)(64)→ハリー・エジソン(tp)→ピート・ジョンソン(p)→ウォルター・ペイジ/アーティ・バーンスタイン(b)→チャーリー・クリスチャン(g)(8)となっています。SP盤の時代に奇跡の如く発掘された長時間演奏。この雰囲気が1950年代のメインストリーム・ジャズの源流だったといわれる所以です。

■ チャーリー・クリスチャンの演奏を収録したCDアルバムは数多く市販されていますが、シリーズとして整理されたものは数少ないようです。
手元にある二つのアルバムをご紹介しておきます。

Media 7「media 7」の「Masters Of Jazz」で9巻構成のCDです。フランス製で時系列で編集されていて非常に読みやすく参照が容易です。


The Genius of the Electric Guitar「ザ・ジーニアス・オブ・ザ・エレクトリック・ギター」と題した「完全生産限定盤」の日本製4枚組です。ケースはギブソンのアンプを模してオシャレですが、編集はもう一つでディスコグラフィは非常に読みにくいものです。英語の翻訳も意味不明な箇所が多く残念です。